肺炎とは、何らかの病原性微生物が肺に侵入したことで起きる急性の炎症です。
クリニックを訪れる多くの方の肺炎は「市中肺炎」に分類されます。年齢・基礎疾患の有無・咳の強さ・胸部所見の程度をもとに、細菌性の肺炎なのか、それ以外の肺炎かを大きく推定・鑑別し、それぞれに見合った抗生物質を投与します。血液データや胸部レントゲン写真も病気の進展度の指標にします。年齢や血圧、血液中の酸素分圧などを組み合わせてどれくらい重症であるかを判定し、外来で治療するか入院して治療するかを決定します。高齢者の肺炎では自覚症状や発熱などの所見に乏しいことがあり、呼吸や脈拍が早くなっていないか、脱水がないか、意識がしっかりしているかなどに注意をする必要があります。